子どもに安心感を提供して、信頼してもらえる大人になる
「どうしてうちの子は、学校に行かないのだろう?」
「このまま家にいて大丈夫なのだろうか?」
「子どもとどうかかわったらいいのだろうか?」
お子さんが学校に行かない日々が長くなると、親御さんにすれば、色々な不安を持たれているかもしれませんね。
でも、どうかご安心してください。
難しいことは何もありません。
それは、お子さんが心から安心できる『安全基地』になることです。
あなたがお子さんの安全基地になることで、お子さんはあなたを心から信頼するようになります。
信頼さえしてもらえれば、あとは悩むことは何もないのです。お子さんはあなたに自分の思いを伝えてくれる。あとはお子さんとあーでもない、こーでもないと相談しながら進めることができるのです。
○お子さんの安全基地になるためには
安全基地とはその名の通り『安全な場所』です。
ありのままのお子さんが、自分の思うまま手足を伸ばし、大きな声で笑えるようなそんな場所・・。
今社会は経済を最優先しています。
- 「もっとこうして」
- 「きちんとやって」
- 「これはだめ」
- 「急いで」
- 「できるだけ多く」
どうでしょうか。
社会の一つの形の学校には、こんな言葉があふれていないでしょうか。
そんな言葉にお子さんは傷つき疲れ果ててはいないでしょうか?
今、目の前にいるお子さんを、ただそのまま抱きとめ、「頑張ったね」と声をかける
今のお子さんにはそういう場所が必要だと思います
安全基地になるために大切なのは、子どもを評価したり、変えようとしたりするのではなく、ありのままの姿を、ただ受け入れることです。
家庭が安心できる「安全基地」になると、子どもは自然と、穏やかな心を取り戻し始めます。
それは、まるで凍っていた心がゆっくりと溶けていくようです。
○あなたがお子さんの安全基地になった合図
あなたが安全基地になるとお子さんはこんなシグナルをくれますよ。
1.雑談
雑談とは目的のないとりとめのない話です。
ただただあなたと話したい、聴いてほしい、つながりたいというお子さんの意思の表れです。
お子さんとの会話をただただ楽しんでください。
何かをアドバイスしたり、引き出そうとしたりしないでくださいね。
雑談のヒント
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結論は求めないでください。
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「明日、学校に行くのかどうか」「今、何を考えているのか」といった答えを、雑談の中に求めないでください。
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あなたの意図は一旦おいておきましょう。
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「話をして、気分を上げて宿題をしてもらいたい」といったような親の期待は、雑談には持ち込まないでください。
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子どものチャンネルに合わせましょう。
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好きなゲームやアニメ、YouTubeのチャンネルなど、お子さんが夢中になっていることが話題になるといいですね。「テスト、どうだった?」といった親が主導する話題ではなく、子どもが話したい、興味のある話に合わせることを意識してみてください。
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子どもの話を、否定しないでください。
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「そんなことしても意味ないよ」「もっと〜すればいいのに」といった否定的な言葉は、子どもの心を閉ざしてしまいます。
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はじめは「はい」か「いいえ」で答えられる質問から始めましょう。
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「このキャラクター好き?」など、子どもが答えやすい質問から始め、話が弾んできたら「もっと教えて」「続きは?」と深めていきましょう。
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2.笑顔
愛想笑いや作り笑顔ではなく、自然な優しい笑顔。
お子さんの笑顔や、笑い声以上に素敵なものはないのではないでしょうか?
さらに、お腹の底から「わはっは」と笑ってくれたら最高です。
笑顔のヒント
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あなたは、笑っていますか?
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お子さんのことで一生懸命で、自分のことは後回しになってはいませんか。でも、お子さんの安全基地であるためには、あなた自身もリラックスして笑っていてくださることが大切です。無理に笑顔を作ろうとせず、あなた自身がホッとできる時間を見つけてみてください。どうかご自身にもケアを。
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3.あなたのそばに近づき、あなたのそばにいる時間がふえる。
お子さんは安心と信頼のある人には、当然近づきます。
そして時間を共に過ごすのです。
不登校になったばかりの頃は、親にすら心を開くことができず、部屋に閉じこもりがちかもしれませんね。
でも、あなたが「安全基地」になると、お子さんはリビングで過ごす時間が増えたり、そっとあなたの近くに来て座ったりするようになります。
お子さんがあなたのそばにいる時間が増えるのは、心の距離が縮まっている証拠です
○まとめ
お子さんの心は、安全基地で心を休ませると必ず回復します。
骨折した骨がギプスの中で必ずくっつくように
スマホが充電器で必ず充電されるように
そして、再び外の世界へ向かう勇気を持つことができるのです。
お子さんが家で過ごす時間は、一見すると「何もしていない」ように見えるかもしれません。
しかし、それはとても大切な時間なのです。