Image Exampled
※プライバシー保護のため架空の事例になります。
「先生が嫌い。
先生は、同じことを何度も言う。一度でわかるのに!
だから1回目だけ聞くようにしている。
他には、授業の最後のまとめの時、あとは、聞かないようにしている、そうしないと自分が壊れる。
先生の声を聞いたら頭が痛くなる。
それに、先生の言うようにするよりも僕のやりかたでやりたい。
でも先生のやり方でやらないと叱られる。
多分僕のやり方でやった方が早い思う。意味わかんない。」
他にもたくさんお話をしました。
とても聡明で発想のユニークなお子さんのようでしたが、担任は、お子さんの資質をよく見ないで、問題児扱いをしているようでした。
本人は不登校という状況でしたが本当は、学校に、行きたい気持ちをお持ちでしたので、お母さまから担任へ、カウンセラーの見立てなどをお話しいただき、お子さんの特性や気持ちなどを理解していただけるように働きかけました。
また校長先生宛にも、手紙にて“学校内で共通理解”をお願いしました。
またお母さまは、学校から困った子と聞かされていて、苦しい気持ちを抱えておられましたが
「この子の素晴らしい資質を守りましょう!」
と“お子さんのありのままを応援していく方向性”を確認いたしました。
そして、親御さん、担任、塾の先生、カウンセラーなど沢山の人の支えのもと、Aくんは、自分の気持ちを大切にしながら自分の意思で教室に戻って行きました。
「先生は、いじめはないというんです。
だけど体育でボールをパスしても誰もとってくれないみたいで。
他にも悪口を言われるらしく。
学校に行きたくないって言っています。」
先生がいじめを見落としているため、仕方なく不登校になっているようでした。
お母さまには、先生を通さず、同じクラスのお友だちに直接、いじめについて聞いてみることをお勧めしました。
すると、幼稚園からの友だちが「いじめを見た」と言ってくれたそうです。
そこでこのことを担任に伝えるだけでなく、管理職にも伝えるように提案しました。
その後、学校が組織として動き出し、クラスの児童の全員に聞き取りをはじめました。
すると、他にもいじめ事象がたくさん出てきたそうです。
お母さまは、もっと早く動くべきだった、子どもに申し訳ないと言っておられました。
学校はほかにも多数トラブルを抱えていて、対応が後手になりがちでしたので、その後も学校への対応については、親御さんと相談しながら模索しました。
卒業までには、いじめはなくなったそうです。
また担任からは卒業前にお子さんに
「私がすぐにいじめを見つけられなくて申し訳なかった。」
と謝られたとのことでした。
「学校から帰ってくるとイライラしていたり、ぐったり疲れ果てていることが多いです。
最近朝起きられない日があります。
学校に行くように促すと、ひどい暴言を言う時もあります。
また些細なことにイライラしています。
先生が言うには、学校では特に問題なく、よく頑張っているそうです。」
お子さんにお話を伺うと授業中、色々困っている話をしてくれました。
どうやら黒板の板書や、文字の読み間違いなどに困り感があるようでした。
本人と親御さんに理解いただき、発達検査を受けていただきました。
検査から『見ること』に困難があることがわかりました。
その結果を元に親御さんと相談して、黒板を書き写さず、授業は聞くことに専念することなどを学校にお願いすることにしました。
その結果、学校配布のiPadの写真の機能などをうまく使い、ずいぶん学校生活が楽になったようです。
このように困り感に一つ一つ丁寧に対応していく中で、お子さんは自分の困りごとに向き合うことの素晴らしさを実感したようです。
そして積極的に親御さんやカウンセラーに、自分の苦手なことについて、話すようになりました。
イライラや暴言は、いつのまにかなくなっていました。
「時々他人にすれば大したことのないことでも強い不安を感じてドキドキが止まらない時があって、これは病気なのではないかと思うのです。」
不安の起る状況や、体の感じなど詳しく聴きとりさせていただくと、今までの不安な体験がどんどん出てきました。
ずいぶん長い間不安を感じながら過ごされていたようです。
不登校の体験やいじめの経験などもお話しくださいました。
日常生活でも支障が出ていましたので、専門医での診察を念頭に置きながら、不安を感じた時の呼吸法やリラックス方法を知っていただき、不安との向き合い方を支援させていただきました。
何度かカウンセリングさせていただくと、不安がやってきても、自分にあった対処法をとることができるようになり、不安をコントロールできるようになられました。