「学校を辞めたい」
「もう学校には行きたくない」
不登校のお子さんから、そんな言葉を聞いて、戸惑っていませんか?
私は公立小学校で28年間、養護教諭(保健室の先生)をしてきました。
保健室で、学校に行きづらさを感じている子どもたちを何人も見てきました。
その経験から、ホームエデュケーション(ホームスクール)という選択肢についてお伝えします。
不登校は子どもからのメッセージ
不登校は、子どもからの
「人生で一番大切なものは何か」と問いかけだと思っています。
皆さんはこの経済優先の社会で何とお答えになるでしょうか?
学校は、子どもが幸せな大人になるための一つの手段です。
ホームエデュケーションも、その選択肢の一つです。
ホームエデュケーション(ホームスクール)とは?
家庭をベースにして学び育っていく教育方法
家庭をベースにして学び育っていく教育方法のことです。
「ホームエデュケーション」「ホームスクール」「ホームスクーリング」など呼ばれています。
海外では法制化されていますが、日本ではまだされていません。
ですので、決まりなどは特にありません。
子どもの興味関心に沿って、親御さんが中心になって自由に進めることが特徴です。
日本での現状
日本では法制化されていないため、学校には籍を置いたままになります。
手続きは何もいりません。始めたいときに始めればいいのです。
ただし、学校との話し合いが必要です。
実際にお子さんが家でどのように学習を進めるかなど、具体的な計画を立てておいた方がいいでしょう。
法律違反にはなりません
親御さんには、子どもに教育を受けさせる義務があります。
ですので形としては、親は学校に行くように環境は整え、進めた。
しかし、お子さんが「学校には行かない」と言っている、という状況が必要です。
ややこしいですが、そもそも不登校であれば問題はありません。
それを学校等にきちんと伝えて理解してもらってから進めましょう。
オプトアウト:学校に「行かない」という選択
オプトアウトという考え方
「オプトアウト」とは、「学校から意思を持って離脱する」という意味です。
現状、不登校というと:
- 学校に行けない
- 学校から脱落した
というニュアンスになることが多いのですが、この概念で行けば:
「学校には、行けないのではなく、行かない。」
という形になります。
すべての子どもに合うわけではない
この考え方が全ての子どもに合うというわけではありません。
学校から離脱するかどうかは、そのお子さんの:
- 性質
- 望み
- 学校の環境
などから総合的に判断することです。
もっと積極的なイメージ
今まで不登校というと「かわいそう」「大変」という評価しかなかったのですが、「オプトアウト」という考え方では、もっと積極的なイメージになります。
日本では、このようなシステムはありません。
しかし逆に考えると、支援もない代わりに、ややこしい手続きなど何もないということ。
気軽に始めることができるし、いつでも「やっぱりオプトアウトやめます!」と言って、学校に戻ってもいい。
工夫次第で、美味しいところ取りにもなります。
ホームエデュケーションの進め方
勉強はどのくらいするのか
「ホームエデュケーション」には、いろいろなやり方があり、決まりはありません。
- 学校のカリキュラムに沿って進める方法
- 勉強は全くせず、お子さんの興味・関心に沿った体験を中心に進める方法
- その中間(例:午前は読み書き算数、午後は体験)
お子さんの状況に合わせて、自由に決められます。
親の関わり方
親がつきっきりになりそうで、仕事があるし厳しいと感じる方も多いでしょう。
まず一つずつ整理しましょう。
- お子さんは何を望んでいるか?
- そして一人でどれくらいできそうか?
- 親御さんはどれくらい援助できるか?
- 祖父母や親戚などの援助はあるか?
その上で、塾や家庭教師、習い事、通信教育などをうまく使って考えていきましょう。
協力者を見つける
塾の自習室などを不登校のお子さんに開放しているところもありますし、図書館も最近は、不登校のお子さんの受け皿を申し出ているところもあります。
公的な適応指導教室や、通級教室なども柔軟な対応が期待できます。
ホームエデュケーションという形であっても、子どもさんが嫌がらないようでしたら、学校にも協力してもらってもいいのです。
例えば:
- いくつかの授業をオンラインでつないでもらう
- 実技教科だけ学校へ行って受ける
- 給食も食べてもいい
義務教育であれば、お子さんの籍は税金にて確保されているので、部分的に使っていけば良いのです。
登校・下校の安全管理や、給食の支払いなど、ややこしいことはあるかもしれません。
そもそも学校が難色を示すかもしれません。
でも、法律的にはなんの問題もありません。交渉あるのみです。
ただし、これを望むかは、何よりお子さんとまず話し合ってください。お子さんの気持ちが最優先です。
短期的に考える
この状態が長く続くと考えると大変だと感じられるかもしれませんが、子どもさんの成長はめまぐるしいものですので、1か月単位ぐらいで計画を立てていくといいと思います。
教育機会確保法を活用する
教育機会確保法とは
不登校のお子さんのための法律『教育機会確保法』を、ぜひ知っていただきたいです。
2017年に施行されている法律です。
この法律の基本理念は、「すべての子どもが豊かで安心できる学校にすること」です。
不登校のお子さんをもちろん含みます。
5つのポイント
- 学校を休むことは必要(多様な学びを認める)
- 不登校は問題行動ではない
- 「学校復帰」ではなく「社会的自立」を目指す
- 「どこ(学校)で学ぶか」ではなく「何をどのように学ぶか」が大切
- フリースクールや親の会など必要な情報の提供
学校との話し合いに使える
この法律は、学校と話し合ったり交渉する時などに使えます。
これを元に話し合えば、概ね視点がずれることはないのでとても便利です。
不登校の支援をしてきたものとしては、ごくごく当たり前のことが書かれていると思うのです。
が、学校、社会に浸透しているかというと、まだまだと言った感じがします。
詳しくはこちら
ホームエデュケーションを始める前に知っておきたいこと
- 日本では「ホームエデュケーション」は、法制化されていません
- しかしお子さんに事情があれば問題ありません
- お子さんの「学校に行かずに家で勉強したい」という意思を元に進めてください
- 現状において日本では、学校には籍は残ります
- そのためある程度の連絡調整は必要です
- 学校・行政側には子どもの安否を確認する使命があります
- 子どもさんの希望や関心にそって進めます
- 短期的に考えていきましょう
ホームエデュケーションを望むお子さんへ
今までは学校や先生が考えていたことのすべてを、あなたとおうちの人で決めていくことになります。
あなたの意見や気持ちをお家の人に伝えてください。
また一人でしてもらうことが必要な時もあります。
みんなで話し合って協力してやっていきましょう。
親御さんへ:元養護教諭から伝えたいこと
協力者を発掘しましょう。
案外思わぬところに協力者がいるかもしれません。
学校教育に疑問を持っている人は、とても多いのです。
そしてこの歩みは、同じ悩みを持つ人の力になります。
私も15年前ぐらいからこの道を息子たちと模索してきました。
前が見えず厳しい時もありました。でも得たものも大きかった。
お子さんの状況次第ではありますが、もし望まれるなら歩く価値は十分ある道です。
にじいろたまごでは学習支援・活動支援をしています
まとめ
ホームエデュケーションは、不登校のお子さんにとって一つの選択肢です。
- 法制化はされていないが、問題はない
- お子さんの意思を最優先に
- 学校との協力も可能
- 教育機会確保法を活用する
- 協力者を見つける
- 短期的に考える
最終目的地は、子どもの幸せです。
学校復帰だけが目的ではありません。
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一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。 |
