お子さんが「ぼぼぼく」「ぼーくね」とどもって話すことで心配していませんか?
私は公立小学校で28年間、養護教諭(保健室の先生)をしてきました。
吃音のお子さんや親御さんとの出会い、どうしたらよりよい学校生活が送れるか考えてきました。
その経験から、吃音とは何か、周りの理解の大切さ、親ができることをお伝えします。
吃音(きつおん)とは?3つのタイプ
吃音とは、話し始めの言葉がつっかえてしまうことをいいます。
俗に「どもり」とも呼ばれます。
3つのタイプ
1. 繰り返し
「ぼぼぼく」
言葉の最初の音を繰り返す
2. 引き伸ばし
「ぼーくね」
音を長く引き伸ばす
3. ブロック
「・・・(言葉が出ない)」
言葉が詰まって出てこない
吃音の原因|親の育て方は関係ない
吃音の原因は、最近の研究で明らかになってきました。
・遺伝的要因
・脳の神経ネットワークの特性
・ドーパミンなどの脳内物質の代謝
これらが複雑に関係している「神経発達障害」です。
重要なのは、親の育て方とは全く関係がないということです。
例外:年齢が大きくなってからの吃音
小学校高学年以降に突然始まる吃音は、心理的ショックや脳の疾患が原因のこともあります。
この場合は、医療機関への相談をお勧めします。
いつ専門家に相談すべきか?
2〜4歳の吃音
2〜4歳の吃音
話し始めの2〜4歳頃の吃音は、よくあることです。
最近の日本の研究(2024年)では、3歳児の約9%に吃音が見られます。
そのうち7〜8割は自然に治りますが、
2〜3割のお子さんは小学校以降も続くことがあります。
でも、様子を見るだけでいい?
自然に治るお子さんと、治らないお子さんを見分ける確実な方法はまだありません。
そして、言葉の療育を受けるなら早い方がいいと言われています。
おすすめの対応
専門家に、一度つながっておく方が安心です。
以下のタイミングを利用されるといいと思います:
- 保健所の検診
- 園や学校の健康診断
- 言語聴覚士のいる医療機関
お子さん自身にも説明を
お子さんが吃音について気づいている年齢なら、お子さん自身にも吃音についてお話しされることをお勧めします。
聞いてあげてください
- 困っていることはないか
- からかわれたりしていないか
- どんな時に話しにくいか
お子さん自身が、自分の状況を理解することが大切です。
吃音で一番大切なこと|周りの理解
コミュニケーションで大切なことは、滑らかに話すことではなく、話の内容です。
吃音が出ても、話の内容には関係ありません。
安心してどもりながらコミュニケーションできる環境であれば、何の問題もないのです。
周りの無理解が二次障害を生む
しかし、大人であってもそれを指摘したり、笑ったりする人がいます。
恥ずかしいですが、先生であっても理解のない人もあります。
大人の無理解な言葉
「もう一回言ってみて」
「ゆっくり落ち着いて話して」
「なんでそんな話し方をするの?」
友達の反応
- 「ふざけているの?」
- マネをする
- 馬鹿にする
お子さんへの影響
こうした反応を受けると、お子さんは:
- 余計に焦って吃音が出る
- 話せなくなる
- どもったらどうしようと不安を抱える
- 話すことに恐怖を感じる
その結果:
- 話すことが嫌になる
- 自分が嫌いになる
- 色々なことに消極的になる
これが二次障害です。
二次障害は防げる|早期の介入を
二次障害は、大人の早期の介入で減らすことができます。
「寝た子を起こす」は間違い
先生の中には、「まだ周りの子どもは気づいていないから、何も言わない方がいい(寝た子を起こすことになる)」と言われる方がいます。
でも、それは間違いです。
子どもは気づいている|東京学芸大学の実験
東京学芸大学の実験によると、何歳の子どもがどのくらい相手の吃音に気づくかという結果:
- 4歳:30%
- 5歳:80%
- 6歳:100%
6歳であれば、すべての子どもが話している人の吃音に気づいているということです。
先手を打つ|周りの子どもへの説明を
子どもは純粋です。
目の前に起こったことに正直に反応します。
何も教えられずに吃音に初めて出会えば:
- 笑うかもしれない
- 疑問に思うかもしれない
- ふざけていると思うかもしれない
- 面白そうだと真似をするかもしれない
先生にお願いしましょう
周りの子どもさんに、吃音について説明してもらい、どのように関わるのがいいのか教えてもらってください。
そうすることで、子どもたちの態度は全然違います。
基本的に子どもたちは素直で優しいのです。
先手を打ちましょう。
それでもからかわれたら
それでもからかわれたりするかもしれません。
その都度対応します。
お子さんに納得してもらう
対応については、お子さんに納得して進めることを忘れないでください。
からかいを止めることも大切なのですが、それ以上にお子さんには:
「親御さんがいつでも自分の味方でいてくれる」
ことを感じてもらいましょう。
大切にされていると知ってもらいましょう。
そうすることで、お子さんは、自分の吃音と安心して向き合うことができるのです。
不登校につながることもある
吃音が原因で、学校に行きたくなくなる子もいます。
よくあるきっかけ
- 話し方を笑われた
- 大勢の前で話すときにうまく話せなかった
- 音読で恥ずかしい思いをした
こうした経験が、不登校のきっかけになることがあります。
もしお子さんが学校を休みがちになったり、登校を渋るようになったら、吃音が関係していないか確認してみてください。
元養護教諭として伝えたいこと
私は28年間、保健室で子どもたちと向き合ってきました。
吃音があっても本当はなにも問題はない。
伝えたいことを何も気にせず自分のペース伝えてくれればいいのです。
吃音そのものは、コミュニケーションの障害ではありません。
問題は、周りの無理解です。
大切なのは:
- 早めに専門家につながる
- 周りの子どもに説明する
- お子さんの味方でいる
一人で抱え込まないでください。
学校、専門家、そして私たちが、お子さんを支えます。
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一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。 |
