9月1日。
この日は、子どもたちにとって辛い日です。
18歳未満の子どもの自殺が、9月1日前後に突出して多いという事実をご存じですか?
私は公立小学校で28年間、養護教諭(保健室の先生)をしてきました。
9月1日問題が取りざたされるようになってから、胸がざわざわする日になりました。
学校が始まる日に、追い詰められる子どもたち。
子どもたちに何が起きているか、一緒に考えていきましょう。
9月1日問題とは
子どもの自殺が最も多い日
9月1日前後は、子どもの自殺が最も多い時期です。
統計データ
- 2022年:小中高生の自殺 514人
- 2023年:小中高生の自殺 513人
- 2024年:小中高生の自殺 529人(過去最多)
- 9月が最も自殺が多い月(2024年は59人)
学校との関係が大きいでしょう。
なんと悲しい現実でしょうか
子どものための学校が、子どもを追い詰める。
子どもが自殺したくなるという学校。そういう子が年々増える日本という国。
2024年、小中高生の自殺は529人で過去最多となりました。
何か根本的なシステムを考える必要があると強く思いますが、国の施策を見ていると、期待もできません。
でも、手をこまねいていることもできません。
とにかくお子さんのSOSをしっかり受け止めるということから始めましょう。
なぜ学校が始まる日に追い詰められるのか
井の中の蛙 大海を知らず
「井戸の中にいるカエルは、井戸の外に海があることさえ知らない」という故事。
狭い価値観の中で正しい判断ができないというたとえです。
学校が始まる日に、追いつめられる子ども。
学校は、小さな狭い井戸の中。
子どもはそこしか知らない。
大きな海があることさえ知らない。
学校が採用している価値観
学校では、限られた価値観で子どもたちが評価されます。
- 勉強ができる、できない
- テストの点が良い、良くない
- 足が速い、速くない
- 絵がうまい、うまくない
- リーダーだ、リーダーでない
- 給食を食べるのが早い、遅い
- 好き嫌いがない、多い
- 学校を休まない、休む
- 友だちが多い、多くない
- 性格が明るい、明るくない
子どもたちは、この価値観の中で苦しんでいます。
そして、これ以外の価値観があることを知りません。
親ができること
井戸の外の世界を子どもに見せる
早急にお子さんに、井戸の外の大海を見せてほしいのです。
「井戸の外の世界を見せる」というのは、
- 旅行へ連れていく
- 色々な体験をさせる
- 有名な絵画をみせる
- スポーツをさせる
- コンサートに行く
- 映画に行く
- キャンプに行く
ということではありません。
価値観の話です。
学校以外の価値観を知らせる
学校が採用している価値観以外の価値観を、お子さんに知らせてあげてほしいのです。
あなたはどのような価値観をお持ちでしょうか?
例えば:
- 人に優しくできることが大切
- 自分のペースで生きていい
- 好きなことを大切にする
- 失敗してもいい
- 休むことも大切
- 人と比べなくていい
- 自分らしくいることが一番
お子さんに、こうした価値観を伝えてください。
「学校がすべてじゃない」ということを、お子さんに知らせてください。
お子さんの明かりになる
私たち大人は、学校のせい、先生のせいなどと言っている暇はありません。
目の前にいるお子さんの明かりになりましょう。
小さくても良い。ほのかでも良い。
絶望の世界にいるお子さんの一筋の光になりましょう。
お子さんが「死にたい」と言ったら
逃げずに受け止める
お子さんが「死にたい」と言われると、私たち大人は、ひるんでしまいます。
それは当然のことです。
でも、それではせっかく打ち明けてくれたお子さんが「拒否された」と思われてしまうかもしれません。
逃げずに、「SOSをきちんと受け止める」という意識さえあれば、大丈夫です。
TALKの法則
自殺を防ぐための「TALKの法則」をお知らせしておきます。
難しく考えなくていいと思います。
そもそもお子さんは、日ごろのあなたを見ていて、あなただから伝えているのです。その時点であなたはお子さんに必要とされているのです。
T - Tell(伝える)
心配していることを言葉で伝える
「心配しているよ」「あなたのことが大切だよ」と言葉にしてください。
A - Ask(尋ねる)
「死にたい」という気持ちの有無について率直に尋ねる
「死にたいと思っている?」と、恐れずに聞いてください。
L - Listen(聴く)
「死にたいほどつらい」相手の気持ちを傾聴する
口を挟まず、最後まで聞いてください。
K - Keep safe(安全を確保する)
安全を確保する
お子さんの安全を最優先にしてください。
一人で抱え込まないで
お子さんの状況が厳しいようでしたら、一人で抱えないようにしてください。
専門家(医療機関)
- 精神科・心療内科
- 小児科(かかりつけ医に相談)
- スクールカウンセラー
- 教育相談センター
- 児童相談所: 189(いちはやく)
まとめ
9月1日前後は、子どもの自殺が最も多い時期です。
学校が始まる日に、追い詰められる子どもたち。
親ができることは:
- 学校以外の価値観を知らせる(井戸の外の世界)
- お子さんの明かりになる
- 「死にたい」を受け止める(TALKの法則)
- 専門家に相談する(一人で抱えない)
学校がすべてじゃない。
お子さんに、そう伝えてください。
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一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。 |
