目の機能には問題がないけど、心の問題が関係して視力が下がることがあります。
心因性視力障害と言います。
私が保健室の先生をしていた時は、割によくある事象でした。
例えば
目をぶつけたお子さんを病院に連れて行くと
目を検査しても異常はないのに、見えない。
ということがあり、実際に視力検査をしても視力が出ない。
その時は、トリック検査と言って
初めは、度の弱いレンズに度の強いレンズを足していって視力検査をします。
本当はある程度の度数で見えるようになるはずですが、いつまでもはっきり見えないという。
今度はそれを打ち消すレンズを足していく。
こうするとある時点で度数はプラスマイナスゼロになるのです。
つまり伊達レンズです。
そのレンズの時に見えたりする。
心因性視力障害の検査法です。
目の怪我で病院に行ったのであれば
当然目をぶつけたショックで心が不安定になって、こう言ったことはよく起こります。
ただこれが日常で起こることがあります。
いわば目の怪我と同じようなストレスが、そのお子さんの日常にあるわけです。
心因性視力障害は、機能的には問題はありませんので、視力については経過観察をするだけで特に治療はしません。
ただそういう状況にあり、そのストレスをお子さんが処理しきれていない。
ということはご理解ください。
そして大体は、お子さんの心の成長やストレスとなる物事の解決により自然と回復します。
ただ、一旦回復してまた再発。
ということもあります。
根本的に、ストレスの処理が得意でないお子さんが、このような形で表現するという理解をしてあげてください。
しかしストレスの処理を周りがすることはできません。
お子さんが成長していく過程で、処理する力をつけていくしかありません。
もし、ストレスの内容がお分かりになっているようなら
- 今の状況
- 気持ち
- どのように考えるといいか
とか、やんわり聞いていただくと、お子さん自身のストレスの処理を助けることになることもあります。
ただ
- 口に出したくない。
- 自分でも気づいていない。
という場合もありますので、状況を見ながらの対応になりますね。
基本的には、お子さんが自身で処理できるようになることを支える。
という感じです。
ただ、もしそのストレスが、生死にかかわっていたり、親御さんから見てこれは厳しい。
と思われるようでしたら、専門家にご相談されることをお勧めします。
その他関連記事