学校で話さないお子さんは色々な機会を失っているのです。
学校ではかん黙のお子さん(選択性かん黙・場面かん黙)には時々出会います。
200人に1人ぐらいはいらっしゃるそうです。
家では話しているのに
学校では、話せなくなる。
人間の体は本当によくできていて、不安が大きすぎると身を守るために話せなくなってしまう。
不安すぎて、自分の意志を表現できない。
お子さんが“自分の意志で話さない”わけでは無いのです。
あるお子さんは、話そうとしても
「のどが詰まったようになり、声が出せないのだ」
と言われていました。
また、かん黙のお子さんは“不登校になりにくい”ともいわれています。
身を守る方法を既に実践しているから。
だからかん黙の状態なら、学校には行けるというわけです。
でも、それは
“学校は身を守らなくてはいけない場所だ”
ということになります。
学校に行っているからいいという問題ではないのです。
かん黙のお子さんには、まず、
- 不安を和らげ
- 安心感をもってもらう
ことが大切。
そして
“人と話したい”という
お子さんの意思が芽生えることを、目指します。
コミュニケーションするための、スタート地点に立つというイメージです。
個々によって違うでしょうが、不安の解消には、
- 医療機関の検査やその結果からのアドバイス
- 時にはお薬
などが必要な時があります。
しかし、かん黙のお子さんは、あまり医療機関に行かれていないように感じます。
話さないだけで
日常生活には支障をきたしていないから
かもしれません。
でもそれは「大人目線」です。
お子さん目線で考えてみれば
学校という、積極的な声の大きい人が優遇される場で
(そうでない学級ももちろんあります)
意思を表現しないのです。
きっといろんなことが、不本意な形で進んでいるでしょう。
さらに
興味本位で
「なぜ話さないのか?」
悪意に満ちて
「『アー』といってみて?」
など詰め寄られています。
驚くべきことは、教師の中でも
「挨拶だけでも、いいましょう!」
と、強制している人もいます。
そもそもお子さんは
生活に支障をきたしているから話せない。
話せないから、もっといろいろ困っている。
ということは想像できます。
不安が強いでしょうから、無理強いはできません。
が、いいタイミングで専門家とつながれることをおすすめします。
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