不登校のお子さんと考え方のクセ(マイナス思考)

人にはいろいろなクセがあります。

  • 爪噛み
  • 鉛筆を回す
  • 髪の毛を触る人

人それぞれですね。

 

実は考え方にも、クセがあります。

このクセは、想像以上に日々の暮らしに影響を及ぼしています。

 

 

考え方のクセは、物事を考える時に自動的に頭に浮かび、考えに影響を与えます。

考えは、次に感情を引き起こします。

そしてその感情によって行動が起きる。

 

 何かしらの出来事

  ↓

  1. それをどう考えるか(認知)
  2. 次に感情が起きる
  3. そして行動する

 つまり考えがすべてのもとになります。

 

 

例えば学校で友だちに挨拶をした。

でもその友だちはそのまま行ってしまった。

 

 

さてこんな時お子さんは、どのように考えるでしょうか?

(考え、認知)

  • 気付かなかったのかな
  • 挨拶するのが恥ずかしかったのかな
  • 急いでいたのかな
  • 機嫌が悪いのかな
  • 朝ごはん食べてないから元気が出ないのかな
  • 寝不足かな

 と思えば、特に問題なくそのまま学校生活を過ごせるでしょう。

 

 

 もし考え方のクセが、マイナス思考でなんでも悪く考えるクセがあるなら

  • 嫌われているのかな、うん、きっと嫌われている。
  • わざと無視された!
  • 軽く見られているな!

などと悪く考える。

すると気持ちが憂鬱になり、悲しい気持ちが湧き上がってくる。

または腹が立ってきて勉強どころでなくなることもあるでしょう。

その友だちとの関係はひびが入ってしまうかもしれません。

 

 

 

このように出来事に対してどのように考えるか(認知)によって、感情が起き、それによって子どもさんの日常は大きく変わってしまうのです。

 

 

 ただマイナス思考が絶対によくないというわけではありません。

 もし本当は無視されていたとすれば、何かしらの防御策をすぐにとることができる。

 危険の回避能力は高いといえます。

 

  

大切なのは自分の考え方のクセをお子さん自身が知っておくこと

 

 

トラブルが起きて大きな感情がおきそうになった時には、

「ちょっと待って!僕はいつも悪く考えるクセがあるけどだけど今回は、どうかな?」

のように冷静に対応していくことができるといいのです。

 

 

これはお子さん一人で、気付き、修正していくのは難しいです。

親御さんが

「それは悪く考えすぎている。あなたはマイナス思考の時がある。」

とその都度、指摘してあげてください。

 

 

はじめは、お子さんは受け入れないかもしれません。

 しかし繰り返し、信頼できる人から指摘を受ける。

 

そして

「確かに僕が考えていたほど現実は悪くなかった。」

「あの子があいさつしなかったのは、忘れ物をして慌てていたからだったようだ。嫌われていたわけではなかった。」

 という体験を積む中で、気づいていく。

 

 

そうしているうちに

「ちょっと待って!僕はいつも悪く考えるクセがあるけどだけど今回は、どうかな?」

とすぐに反応しないで、一息つき、状況を見ることができるようになると世界が広がります。

 

 

日本人はどちらかといえばマイナス思考の人のほうが多い。

 だからマイナス思考を完全に治す必要はないのです。

気付くだけでもずいぶん違います。

 

 

 〇参考 他にも考え方のクセはあります。

  • A君に嫌われている。僕は皆に嫌われている(白黒思考)
  • A君に嫌われている。僕はいつも嫌われる(一般化)
  • A君に嫌われている。友だちなんてできるはずがない(結論の飛躍)
  • 挨拶を無視するなんて、A君は、人間としておかしい(心のフィルター)
  • A君は、嫌い。嫌いだから今後一切、話さない。(感情的決めつけ)

何かで失敗して

  • 僕はこのクラスで一番へたくそだ。みんなに迷惑をかけてしまった。(過大解釈)
  • 僕はダメ人間だ。ダメ人間なのでチャレンジしない。(レッテル貼り)

何かでを成功して

  • 今回は、たまたまうまくいった。(過小評価)

本格的に、取り組みたい人は、認知行動療法を受けるといいです。