不登校の子は心療内科・精神科に行くべき?医療機関とのかかわり方【元養護教諭28年・奈良】

公立小学校で28年間養護教諭をしてきました。

保健室では、親御さんから「心療内科・精神科に連れて行った方がいいか?」と相談されることがありました。

現在は奈良で小さなカウンセリングルームを運営していますが、カウンセリングの終盤に同じ質問をよくいただきます。

 

 

そして私自身も、息子の不登校を経験し、心療内科・精神科にお世話になりました。

 

 

この記事では、保健室での経験、カウンセリングでの経験、そして親としての経験から、医療機関とのかかわり方をお伝えします。

 

 

基本的には、不登校だけでは行く必要はありません

基本的には、不登校というだけでは行く必要はありません。

病院は医療を提供する場ですので、病気や障害があることが基本になります。

不登校に伴って、日常生活でお子さん自身が何かに困っている、親御さんが困っていることがポイントになります。

 

 

どんな時に行くべきか

例えば不登校に伴って、以下のような症状がある場合です

 

体調

  • かかりつけ医がいらっしゃるなら先にそちらへ
  • 特定の状況(例:朝、学校へ行く時間)になると、頭痛や腹痛を強く訴える。

  • 病院で検査をしても「異常なし」と言われる痛みが続く。

  • 微熱ではないのに、体の疲れやすさ全身のだるさが続く。

  • ふらつき、めまい、立ちくらみなど

 

食事

  • 食欲がない、ありすぎ
  • 美味しく感じない
  • 急激に痩せた、太った

睡眠

  • 寝付けない
  • 熟睡できていない
  • 何度も目が覚める
  • 朝起きられない
  • 寝すぎてしまう

気力

  • 考えることができない
  • 今まで楽しめていたゲームや趣味にもやる気が出ない

感情コントロール

  • 強い不安
  • すぐ泣く、すぐ怒る
  • イライラ

排泄

  • 便秘、下痢を繰り返す
  • 頻尿

運動

  • 体が動かないように感じる

 

 

このような症状がある場合、医療機関に相談することを検討してください。

 

医療機関に行くメリット

保健室で働いていた時、適切なタイミングで医療機関につながったお子さんが、良い方向に進むケースを何度も見てきました。

専門的知識

やはり医師の専門的知識は圧巻です。専門的な幅広い視点で、子どもさんを診察されるのです。良い方向に進む糸口が見つかることがあります。

診断書の力

診断書や医師の指示は強い力があります。

子どもの支援を積極的にされているある精神科医の先生は勉強会で、「子どもの利益のために診断名をつける」と言われていました。

子どもさんのために学校など関係機関と交渉する時などで、「診断書」や「医師の指示」は役に立つことがあります。

私の息子の経験

実際、私は息子が不登校になった時、かかりつけのお医者さんに「適応障害」という診断書を書いてもらえたおかげで、半年仕事を休むことができ、子どもとじっくり関わることができました

今の私と息子があるのは、そのお医者さんのおかげだと思っています。

 

 

ただし、情報収集は必要です

もし親御さんが迷われているようでしたら、行くかどうかは、置いておいてリサーチを始めてください

子どもさん専門の心療内科・精神科は本当に少ないのです。

保健室で働いていた時も、カウンセリングルームを運営している今も、できるだけアンテナ高く、いつも情報を集積するように心がけています。

相談室のある奈良は、そもそも病院が少なく、予約が取れても初診日は2週間から2ヶ月先といったような状況が多いです。

また、新規の患者さんを受けていないこともありますし、毎月、新規の患者さんの診察日、予約日が決まっているところもあります。

お子さんですのでできるだけ通いやすいところがいいと思いますので、お住いの地域でまずはたくさん情報を集めましょう。

 

 

情報を集めるポイント

①大人の心療内科・精神科で子どもは見てもらえるか

基本、病院では「15歳までは、小児科で」となっています。

心の領域では大人と考え方が大きく違うものがありますので、15歳までは児童精神科に行かれるのがよいでしょう。

②かかりつけ医に相談

もし、かかりつけ医が、子どもさんの様子を良く知ってくださっているなら、そちらに先に相談されるといいです。

専門によっては、みてくださることがあります。また適切なところをご紹介いただけるかもしれません。

 

③保健所や精神保健センター

お住いの地域によりますが保健所や精神保健センターなどでも、無料の相談などをしています。

病院の情報だけでなく、病院に行くべきかどうかなどの具体的なアドバイスをいただけます。

 

④学校の先生に聞く

もし思い当たる病院がなければ、学校の先生に聞いてみましょう。

担任以外にも保健室の先生、校長先生、教頭先生、教育相談担当の先生。そしてスクールカウンセラー。

この時ポイントは、「病院を紹介して欲しい」ではなく、「病院の情報ありますか?」「◯◯病院って通っていた人いましたか?」という感じがいいと思います。

(病院を紹介して、治療がうまくいかないと、後々学校とのトラブルになることがあったりしますので、学校は病院をお勧めするのには、慎重です。)

 

 

心療内科と精神科の違いについて

 簡単にお伝えすると:

  • 精神科 → 精神的な症状を診る
  • 心療内科 → ストレスなどから起きた体の症状について診る

しかし実際は、「精神科」というとイメージがよくない、患者さんが病院に行くハードルが上がる、といった理由で精神科が心療内科、メンタルクリニックという看板を上げることも多いようです。

実際には違いはあいまいです。ホームページなどをご覧いただき、わかりにくければ実際に病院に問い合わせしてください。

 

 

病院を見つけたら問い合わせをして、予約の手順を聞いておきましょう

病院が絞れてくれば、その病院に問い合わせをしたりホームページなどで情報を集めましょう。

  • どこにある?
  • 診察時間?
  • 初診を受けるにはどのような手順があるか?
  • 予約制?紹介制?
  • 今予約したらいつみてもらえる?

 

実際に予約をするかを考えるポイント

さて病院が見つかったら、実際に予約をするかは、まず大人でしっかり話し合ってください。

心療内科・精神科に対して偏見のある家族がいると、後でごちゃごちゃします。

大人が方向性をもてれば、次は本人に説明してください。

 

子どもが嫌がったら

無理に連れていくことはできません。また嘘をついたり、ごまかして連れていくこともやめてください。

もし本人が行きたくないと言えば、なぜ行きたくないかなど、聞いてあげてください。

どうしても子どもさんが行きたくなければ、親御さんだけが行く方法もあります

 

 

医学的なアドバイスはいただけますし、実際に親御さんが会われた先生の印象や病院の様子をお話されるとお子さんにとって安心材料になり

「大丈夫そうなら行ってみようか」

と気持ちが動くかもしれません。

 

 

お子さんが否定的な気持ちで病院に行くと何もかもが受け入れがたいものになります。先生の何気ない一言や看護師さんの態度に傷ついたり、腹が立ったり。

「二度と行かない!!!」

と強い態度を作ってしまう。

性急に進めない方がいいです。

 

 

お子さん自身が困りごとを抱えている時などに誘ってみると気持ちが動かれることがあります。タイミングを見計らってください。

 

医療機関の問題点

とにかく混んでいる

医療機関の問題点は、とにかく混んでいること。

 

初診は2、3ヶ月先はザラです。行きたい時に行けないんですね。そして診察時間が十分ではないように感じます。

時間が足りない

怪我や病気とは違い、不登校のお子さんの症状や経過は、口頭で説明するしかないのですが、それを話すだけの十分な時間が確保されていないように感じます。

情報が十分伝えきれていない中でのお医者さんの指示は、時に抽象的になります。

 

親御さんが日常生活で「結局どうしたらいいか?」戸惑うような内容の時があります。

抽象的な指示

例えば、不登校のお子さんを診察した医者に「ストレスはかけないように。毎日無理のない程度の課題はさせてください」と言われた、という相談を受けたことがあります。

「無理のない程度」

抽象的な指示ですね。

  • ストレスとはどれぐらいをいうのか
  • どんな課題がいいのか
  • どれくらいしたらいいのか

 

教師ならノウハウがあるかも知れませんが、親御さんには「何をどのようにしたらいいかわからない」というのは当然ですね。

かかり方のポイント

これを解決するのは、医師に煙たがられようが、次の患者さんに悪かろうが、その場で医師に聞くしかありません

医療機関のかかり方のポイントは:

  1. 病院の評判を聞いてじっくり時間をとってくれるところを探す
  2. 伝えることをまとめて出来るだけ要領よく伝える
  3. わからないことはわからないとその場でお医者さんに聞く

 

子どもさんのために「わからないことはわからないという」と、胸に刻んで診察に臨みましょう。

病院、先生、看護師などの対応が苦しかったら

実際にいかれてみて、もしも対応が:

  • きつい
  • 失礼
  • 行きたくない
  • 気が重い

などの気持ちをお子さん、親御さんが持たれたら、一旦立ち止まってください。

どなたか(できれば専門的な方)にご相談されてこのまま通うのか精査されることをお勧めします。

 

信じたくないのですが、どこにでも悪い気持ちを持った人はいます。心の領域は、外から見えにくいため悪い人が潜みやすい面があるように思います。

息子の通院の思い出

私の息子も不登校で、不安が強かったため、精神科に何回か行ったことがありました。

通院の後には、デザート付きのランチを一緒に食べたり、ゲームセンターでゲームをして帰ってきました。

私的には、その頃を思い出すとどんよりした気持ちになるのですが、本人に聞くと、「あのランチおいしかったよなー」という感じで病院のことは、どうということはなかったみたいです。

 

せっかくですからお子さんが喜ぶ「寄り道」をセットにして、子どもさんだけでなく親御さんもほっとできる時間に意識的にしていただくことをお勧めします。

まとめ

基本的には、不登校というだけでは、病院にいかれる必要はありません。

しかし情報は集められることは大切です。機会を見つけて情報を得ていくように心がけられるといいですね。

そして、もし医療機関に行かれる場合は:

  • じっくり時間を取ってくれる病院を探す
  • 伝えることをまとめておく
  • わからないことはその場で聞く
  • 子どもが喜ぶ「寄り道」をセットにする

 

28年間保健室で見てきた経験、そして息子の経験から、医療機関は適切に使えば大きな力になります。でも焦らず、お子さんのペースで進めてください。

一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。

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