迷われているなら、まず情報を集めましょう。そもそも子ども専門の心療内科医・精神科医は少ないのです。
私は奈良で小さなカウンセリングルームをしているのですが
カウンセリングの終盤に
「不登校のお子さんを心療内科・精神科に連れて行った方がいいか?」
と親御さんに聞かれることがあります。
基本的には、不登校というだけでは行く必要はありません。
病院は医療を提供する場ですので、病気や障害があることが基本になります。
不登校に伴って、日常生活でお子さん自身が何かに困っている、親御さんが困っていることがポイントになります。
例えば不登校に伴って
- 体調(かかりつけ医がいらっしゃるなら先にそちらへ)
- 食事(食欲がない、ありすぎ、美味しく感じるか、急激に痩せた、太ったなど)
- 睡眠(寝付き、熟睡できているか、何度も目が覚める、朝起きられない、寝すぎてしまうなど)
- 気力(考えることができない、今まで楽しめていたゲームや趣味にもやる気が出ないなど)
- 感情コントロール(強い不安、すぐ泣く、すぐ怒る、イライラなど)
- 排尿(便秘、下痢を繰り返す、頻尿など)
- 運動(体が動かないように感じるなど)
もし親御さんが迷われているようでしたら、行くかどうかは、置いておいてリサーチを始めてください。
子どもさん専門の心療内科・精神科は本当に少ないのです。
私もできるだけアンテナ高く、いつも情報を集積するように心がけています。
相談室のある奈良は、そもそも病院が少なく、予約が取れても初診日は2週間から2ヶ月先といったような状況が多いです。
また、新規の患者さんを受けていないこともありますし、毎月、新規の患者さんの診察日、予約日が決まっているところもあります。
お子さんですのでできるだけ通いやすいところがいいと思いますので、お住いの地域でまずはたくさん情報を集めましょう。
情報を集めるポイント
①大人の心療内科・精神科で子どもは見てもらえるか
基本、病院では『15歳までは、小児科で』となっています。
心の領域では大人と考え方が大きく違うものがありますので、15歳までは児童精神科のいかれるのがよいでしょう。
②もし、かかりつけ医が、子どもさんの様子を良く知ってくださっているなら、そちらに先に相談されるといいです。
専門によっては、みてくださることがあります。
また適切なところをご紹介いただけるかもしれません。
③またはお住いの地域によりますが保健所や精神保健センターなどでも、無料の電話相談などをしています。
病院の情報だけでなく、病院に行くべきかどうかなどの具体的なアドバイスをいただけます。
④もし思い当たる病院がなければ、学校の先生に聞いてみましょう。
担任以外にも保健室の先生、校長先生、教頭先生、教育相談担当の先生。
そしてスクールカウンセラー。
この時ポイントは、
「病院を紹介して欲しい」ではなく、
- 「病院の情報ありますか?」
- 「◯◯病院って通っていた人いましたか?」
という感じがいいと思います。
(病院を紹介して、治療がうまくいかないと、後々学校とのトラブルになることがあったりしますので、学校は病院をお勧めするのには、慎重です。)
◎心療内科と精神科の違いについて
簡単にお伝えすると
- 精神科→精神的な症状を診る
- 心療内科→ストレスなどから起きた体の症状について診る
となっています。
しかし実際は、
- 精神科というとイメージがよくない
- 患者さんが病院に行くハードルが上がる
といった理由で精神科が心療内科、メンタルクリニックという看板を上げることも多いようです。
実際には違いはあいまいです。
ホームページなどをご覧いただき、わかりにくければ実際に病院に問い合わせしてください。
病院を見つけたら問い合わせをして、予約の手順を聞いておきましょう。
病院が絞れてくれば、その病院に問い合わせをしたりホームページなどで情報を集めましょう。
- どこにある?
- 診察時間?
- 初診を受けるにはどのような手順があるか?
- 予約制?
- 紹介制?
- 今予約したらいつみてもらえる?
実際に予約をするかを考えるポイント
さて病院が見つかったら、実際に予約をするかは、まず大人でしっかり話し合ってください。
心療内科・精神科に対して偏見のある家族がいると、後でごちゃごちゃします。
大人が方向性をもてれば、次は本人に説明してください。
子どもが嫌がったら
無理に連れていくことはできません。
また嘘をついたり、ごまかして連れていくこともやめてください。
もし本人が行きたくないと言えば、なぜ行きたくないかなど、聞いてあげてください。
どうしても子どもさんが行きたくなければ、親御さんだけが行く方法もあります。
医学的なアドバイスはいただけますし、実際に親御さんが合われた先生の印象や病院の様子をお話されるとお子さんにとって安心材料になり「大丈夫そうなら行ってみようか」と気持ちが動くかもしれません。
お子さんが否定的な気持ちで病院に行くと何もかもが受け入れがたいものになります。
先生の何気ない一言や看護師さんの態度に傷ついたり、腹が立ったり。
『二度と行かない!!!』
と強い態度を作ってしまう。
性急に進めない方がいいです。
お子さん自身が困りごとを抱えている時などに誘ってみると気持ちが動かれることがあります。
タイミングを見計らってください。
病院、先生、看護師などの対応が苦しかったら
実際にいかれてみて
もしも対応が
- ?
- きつい
- 失礼
- 行きたくない
- 気が重い etc.
などの気持ちをお子さん、親御さんが持たれたら、一旦立ち止まってください。
どなたか(できれば専門的な方)にご相談されてこのまま通うのか精査されることをお勧めします。
信じたくないのですが、どこにでも悪い気持ちを持った人はいます。
心の領域は、外から見えにくいため悪い人が潜みやすい面があるように思います。
まとめ
基本的には、不登校というだけでは、病院にいかれる必要はありません。
しかし情報は集められることは大切です。
機会を見つけて情報を得ていくように心がけられるといいですね。
余談ですが!
私の長男も不登校で、不安が強かったため、精神科に何回か行ったことがありました。
通院の後には、デザート付きのランチを一緒に食べたり、ゲームセンターでゲームをして帰ってきました。
私的には、その頃を思い出すとどんよりした気持ちになるのですが、本人に聞くと、
「あのランチおいしかったよなー」
という感じで病院のことは、どうということはなかったみたいです。
せっかくですからお子さんのが喜ぶ“寄り道”をセットにして、子どもさんだけでなく親御さんもほっとできる時間に意識的にしていただくことをお勧めします。
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