不登校と登校刺激|タイミングと学校との調整方法【元養護教諭28年・奈良】

公立小学校で28年間養護教諭をしてきました。

保健室では、不登校のお子さんへの「登校刺激」について、親御さんと、または先生と、よく相談してきました。

実は、この登校刺激についての考え方は、親御さんの思いと先生の思いのずれが生じやすいところでもあります。

 

 

「登校刺激をしていいか?しないほうがいいのか?」これはよくお尋ねになられる内容です。

整理をしていきましょう。

  • 登校刺激・・不登校のお子さんを、親や教師が、学校に行くように(来るように)誘うこと

お子さんの心が"どのくらい元気か"による

一番に確認したいのはお子さんの心が"どのくらい元気か"によるということです。

ある程元気ならば、私は、登校刺激はしてもいいとお答えします。

登校刺激の仕方

登校刺激を受けて、学校に行くかどうかは"お子さんに決定権がある"ということを、忘れないでください。

お子さんに決定権がないのなら、それは、登校の強制になります。

 

 

登校を強制すると、必ず反動が来ます。

やめた方がいい。

また無言の圧力をかけるのも同じことです。

するのは、単なる「刺激」まで。

 

 

お子さんに決定権があることは、お子さんにも説明しておいてください。

そして登校刺激をしたら、お子さんの反応をよくよく観察してください

激しい拒否が有れば、すぐに登校刺激をやめましょう。

まだ時期ではないということです。

 

時期を見て再チャレンジとなります。

先生の登校刺激について

さてこの登校刺激ですが、先生主導でされることもあります。

先生が勝手にしていることもありますが、親御さんとしては、先生を信頼され、任せる場合もあります。また先生にご家庭から依頼されることもあるでしょう。

 

 

保健室での経験から、登校刺激は"先生"と"ご家庭"が相談して進めるようにお願いしています。

 

先生が主導権を握った登校刺激はトラブルになることが多いです。

よくあるトラブル

先生の登校刺激のタイミングがずれると、ご家庭にすれば、登校刺激がないから

「先生に見捨てられた」

となりますし、登校刺激が多すぎると

「先生が熱心すぎてしんどい」

となります。

 

 

ですがお子さんは、学校に来ていないわけですから、先生には、お子さんの様子がわからない。

先生は、学校側のタイミングで(例えば遠足といった学校の行事などで)登校刺激をしてくることになります。

そうすると

「こんな状況で遠足なんか行けるわけない!!!」

「誘ってくれれば行けたかもしれないのに・・・」

なんてことになりがち。

 

登校刺激は、お子さんの閉じた心をノックする貴重な機会です。

タイミングが大切なのです。

登校刺激の前に考えておいてほしいこと

保健室から見ていて、登校刺激をするにあたって、注意してほしいと思うことがあります。

不登校はいろいろ原因があると思いますが、大きく捉えると学校がお子さんにフィットしていないということです。

 

 

お子さんはそれを肌で感じたのです。

だから行かない。

もし登校刺激をして学校に戻ってもそのフィットしない何かがあれば同じことの繰り返しになるかもしれません。

 

 

それは再びお子さんの心を深く傷つけることになり、大きく失望させてしまいます。

次の登校はさらに難しくなります。

 

ですから登校刺激の前に何かしら調整する必要があるのです。

 

調整には2つの視点がある

1. 【学校側】学校がお子さんを受け入れるために、なんらかの策を講じている

  • それを親御さんの目から見て「学校はいろいろ考えてくれているなあ」と思う

2. 【お子さん側】お子さん自身が学校に行かなくなった理由を理解している

  • そしてその対処方法を自分で考えている

 

 

1または2であれば登校刺激をすすめてください。

登校したら振り返る

そして登校したら、振り返ります。その調整は:

  • 良かった
  • 悪かった
  • もっとこうしたらいい

といったことを親御さん、先生、お子さんで話し合い、さらにお子さんに合うように調整できるといい。

トライ アンド エラーです。

 

どんなことも一発でピッタリなんてことはありません。

 

シンデレラのお姉さんの話

さて余談ですが、シンデレラのお話から。

シンデレラのお姉さんは足が大きくてガラスの靴が履けなかった。

だから足を小さくするために足を切る。

(もしかしたら今の絵本では残酷なのでカットされているエピソードかもしれません。)

 

 

シンデレラのお姉さんはそこまでして王子様と結婚したかったんでしょう。

お姉さんが望んだことならいいのかもしれませんが、決してお子さんにはこのようなことをさせてはいけません。

 

学校はそこまでして行くところではありません。

 

まとめ

登校刺激は、タイミングが全てです。

  • お子さんの心が"どのくらい元気か"を見極める
  • お子さんに決定権があることを忘れない
  • 先生とご家庭が相談して進める
  • 登校刺激の前に、学校側またはお子さん側の調整が必要
  • 登校したら振り返り、さらに調整する

保健室で親御さんと先生の間に入って調整してきた経験から、登校刺激は、お子さんの閉じた心をノックする貴重な機会です。

 

タイミングよく、丁寧に、礼儀正しく。そして、学校はそこまでして行くところではないことを忘れないでください。

一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。

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