不登校と母子(父子)登校|親の負担と段階的な進め方【元養護教諭28年・奈良】

お子さんの登校が不安定で、母子(父子)登校を考えていませんか?

私は公立小学校で28年間、養護教諭(保健室の先生)をしてきました。

保健室では、様々な形で母子登校をされている親御さんとお子さんを見てきました。

 

また、私自身も、わが子の母子登校を経験したことがあります。

その経験から、母子登校の現実、親の負担、段階的な進め方、やめどきの見極め方をお伝えします。

 

母子(父子)登校とは

母子(父子)登校とは、お子さんが一人で学校に行くことが難しい時に、親御さんが学校に付き添うことを言います。

正式な形があるわけではありません。

学校に行くのがしんどくなったお子さんを、学校まで送って行っているうちに、授業中まで付き添うことになったという形が多いかもしれません。

 

 

お子さんは親御さんがいてくれることで学校に通い続けられる。

不登校にならない。

 

 

 

しかし、付き添われる方の負担が大きすぎると感じています。

 

母子(父子)登校の親の負担

母子(父子)登校は、親御さんにとって想像以上の負担があります。

時間的な負担

単に時間をとられるだけではありません。

仕事を調整する、または休む必要があります。

 

精神的な負担

  • 本来いないはずの大人が教室にいるという居心地の悪さ
  • 他のお子さん、担任の先生との関係のしんどさ
  • 担任以外の先生、他の親御さんの目のしんどさ

 

教室にいると、他のお子さんの様子を見てしまい、「なぜうちの子は?」とお子さんと比べてしまう。そんな負のループにも入りやすいのです。

私自身の経験

 私自身も、わが子と母子登校を経験したことがあります。

さて私はお伝えしていたように養護教諭をしておりましたが看護休暇を取得できたので時間や期間に縛られることなくゆっくり構えることができました。

 

今考えるとありがたい体制だったように思います。

 

さて実際は私は校内の別室の登校に付き添っていました。

子どもが課題に取り組んでいるのを横目で見ながらの待機です。

 

校内にいると様々な子どもの活動が垣間見えます。

子どもの元気な歌声や、体育での大きな掛け声を聞きながらの待機。

私は今何をしているのだとふと思い、涙があふれたこともありました。

 

せっかくだからと本を持っていきましたが、結局は読み進められず・・。

 

今自分が振り返ってみると、居心地が悪い中、子どものためとはいえよく頑張ったなと思います。

でも一番良かったと思うのは、学校の空気感を知ることができたこと。

 学校で過ごす中で、なんとなくわが子が行きにくい理由も肌で感じました。

 

 

子どものペースでいこう!と思うようになったのもこの経験からになります。

 

 

 

 

母子(父子)登校をする前に考えること

母子(父子)登校をするかどうかを考えるときに、大切なことがあります。

学校は子どもの目的地ではなく、子どもが幸せな大人になるための手段だということ。

その手段のために、どこまで親が犠牲になるのか。

 

これをしっかり考える必要があります。

 

母子(父子)登校のポイント

もし母子(父子)登校をしてみようと思われるなら、以下のポイントを押さえてください。

1. 時間は短く

親御さんは学校にいるとしても、せいぜい2〜3時間。

小学校であれば、1日2〜3時間行っていれば早退にはなりますが出席扱いです。

また、1日2〜3時間でも学校にいれば、クラスの様子もかろうじてわかると思います。

 

2. 徐々に離れる

子どものそばから、だんだん離れる方向で進めます。

  • 教室内 → 廊下 → 別室 → 校門 → 自宅

 

3. 約束を守る

約束の時間になったら、親御さんは帰る。

 

子どもが望めば一緒に帰る。

もしかしたら調子が良ければもう少し頑張らせてみようという気持ちが出てくるかもしれませんが、疲れすぎたり、トラブルがあると、調子を崩します。

余裕があるくらいがよいようです。

4. 毎日同じ時間に

体調に問題なければ、行く時間は毎日だいたい同じ時間になるように心がけてください。

そうするとお友だちも「○○君が来たら一緒に...しよう」など、待っていてくれたりします。 

先生もこれは大切な授業だなと感じれば、お子さんの来ている時間にあわせてくれるなど配慮も出てきます。

段階的な進め方(具体例)

母子(父子)登校は、段階を踏んで進めることが大切です。

ステップ1:一緒に登校・付き添い

  • 朝、一緒に学校へ行く
  • 教室または別室で一緒に過ごす
  • 2〜3時間で帰る

ステップ2:徐々に離れる

  • 教室内 → 廊下で待機
  • 廊下 → 保健室や相談室で待機
  • 待機場所 → 校門で待機
  • 校門 → 自宅で待機

ステップ3:時間を延ばす

  • 2〜3時間 → 午前中
  • 午前中 → 給食まで
  • 給食まで → 午後も

焦らず、お子さんのペースで進めてください。

 

学校との交渉の仕方

母子(父子)登校を始めるには、学校との話し合いが必要です。

 

伝えるべきこと

  • お子さんの状況
  • 母子登校を希望していること
  • どのくらいの時間、どこで待機したいか
  • どんなサポートがあれば助かるか

合理的配慮として

母子登校は、合理的配慮として学校に依頼できます。

「申し訳ない」「クレーマーだと思われる」と躊躇する必要はありません。

お子さんのために必要なサポートを、遠慮なく伝えてください。

先生との協力

  • 先生のサポートはあるか
  • どの場所が使えるか
  • 他の職員(管理職、養護教諭、支援員など)の協力は得られるか

学校と協力しながら、お子さんに合った形を探していきましょう。

 

やめどき・見極めの判断

母子(父子)登校は、親御さんの犠牲の上で成り立っているシステムです。

 

常に状況を見ながら、短いスパンで考えていきましょう。

こんな時は見直しを

親の負担が限界の時

  • 仕事に支障が出ている
  • 体調を崩している
  • 精神的に辛い

お子さんの変化がよくない時

  • 親への依存が強くなっている
  • 不安が増している

別の方法が良さそうな時

  • 教室復帰が難しそう
  • フリースクールの方が合いそう
  • オンライン学習の方が良さそう

トライアンドエラーで

お子さんの支援は、トライアンドエラーです。

「やってみる → 修正」を繰り返していくしかないのです。

 

子どもさんは個人差が大きいし、成長していくからです。

母子登校の無理強いはしない

「学校に行くこと」を最優先にして、親御さんが無理をしすぎないでください。

学校に行くことは、親御さんの心と体にどう影響していますか?

お子さんにとって一番大切なのは、親御さんが元気でいることです。

 

母子登校が親御さんを追い詰めているなら、別の方法を考える時期かもしれません。

 

元養護教諭として伝えたいこと

 親御さんに伝えたいことは、無理はなさらないでということです。

 

お子さんの望みや先生のタイプ、クラスの雰囲気・・いろいろな要素が関係します。

実際うまくいくケースもあれば、うまくいかなケースもあります。

 

母子登校は、あくまで一時的な手段です。

短いスパンで見直しながら、お子さんに合った方法を探していってください。

 

まとめ

母子(父子)登校について、大切なポイントをお伝えしました。

  • 親の負担は想像以上に大きい
  • 時間は短く(2〜3時間)
  • 徐々に離れる方向で
  • 学校と協力して進める
  • トライアンドエラーで修正
  • 親の限界を見極める
  • 無理強いはしない

 

お子さんの母子登校で悩んでいる親御さん、一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。

 

 

~子どものこころを守る~

元養護教諭28年|公認心理師・看護師

 

不登校・学校がしんどい子どもと親御さんの相談室

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