不登校や学校がしんどいお子さんとお話ししていると
(極端な考えに、はまっているなあ。)
と感じることがあります。
「あの子の顔も見たくない。許せない。」
「失敗したくないから学校に行かない。」
極端な考えをしているといろいろと日常生活で不利なことが出てきます。
極端な考え方になるのは、”考え方のクセ”があるからです。
人は何か問題が起きた時に
- その問題が自分にとってどういう意味があるのかを考えます。
- その考えに応じた感情そして体の感覚が沸き上がります。
- そしてそれによって何らかの行動を起こします。
1の考える段階で“考え方のクセ“があると、出来事を正しく受け止めることができません。
Aという出来事が起きた時にそれをそのままAと受け止めることができれば、出来事に対して適切に対応できます。
しかし“考え方のクセ“があるとAという出来事を
- A´
- A´´
みたいに背びれ尾ひれがついたりします。
- A+α
- A-α
- B!!
となる人もいます。
ここまでくると“考え方のクセ“を通り越し認知のゆがみといわれたりします。
トラブルの種を抱えていると言えます。
実際の例で説明します。
例えば
クラスの発表会。
セリフを忘れてしまった。
でも友人が機転を利かせて自分のセリフを言ってくれた。
という例で考えてみましょう。
パターン①“考え方のクセ“があるパターン
出来事
↓
考え 僕のせいでクラスの発表会が台無しだ。人生終わりだ!
↓
感情 絶望
体 心臓がドキドキする、体に力が入らない
↓
行動 次もきっと同じことが起きる。今後は人前での発表はしない。
突っ込みどころが満載ですね。
- 発表会が台無しって別に普通に終わったけど!
- 僕のせいってそんなに大役してたっけ?
- 次もきっと失敗するって根拠は?
- いい友達がいたことはスルーなの?
- そもそもクラスの発表会って発表の練習のためのもの。人生とは関係ない。
“考え方のクセ“が矛盾をよんでいるのです。
パターン②いい例(これはこれで少しできすぎていますが。)
出来事
↓
考え やっちゃったなあ。でも人数が少ないクラスの発表会でよかったなあ。友だちが助けてくれてホントに良かった。友だちは大切。
↓
感情 恥ずかしいなあ、でも仕方ないなあ
体 顔が赤くなる、心臓がドキドキする
↓
行動 友だちにはお礼を言っておこう。次は練習をもう少ししてから発表してみようかな
同じ出来事を体験しても考え方のクセによってそのあとの行動が変わってくるのです。
では”考え方のクセ”を修正するにはどうしたらいいでしょうか?
大切なことは
- お子さん自身が“考え方のクセ“を修正しようという意思を持つこと
外からやいのやいの言っても一歩も進みません。
どうしたら“考え方のクセ“を修正してみよう”と思ってくれるでしょうか
これはお子さんの生活の中で繰り返し、信頼できる身近な大人が
- 時にはやんわり
- 時にははっきり
- お子さんの考え方の矛盾
- お子さんにとってそれがどんなに不利か
を伝えていくしかありません。
そういう中で
はじめは
「私はこのままでいい。」
「そうはいっても・・。」
「確かに根拠はないなあ。」
「こんなにしんどいのはそのせいか?」
と受け入れてくれる。
お子さん自身が
「“考え方のクセ“を修正してみよう」
と思ってくれれば、後は生活そのものが教材になります。
練習あるのみです。
時間がかかるように見えますがこれが一番の近道です。